道具があれば、あっという間に終わるのだけど...
その男たちは、午後にやって来た。
総勢10人。
マスクとスコップを片手に登場し、昨日に紹介した汚泥の山を切り崩して平らにする作業を始めた。
そもそもの発端は、早朝に警察がやって来たことである。
どうやら、近所からこの工場の異臭について通報があったらしい。
といっても、このへんに民家なんてほとんどないので、おそらくは近所の工場(しかも、隣にあるのは、本物かどうかはともかく、有機肥料を作っているライバル工場らしいしね...)によるものだろう。
そんなわけで、急に慌て出したここの経営者たち。
警察や政府の方面は「口利きのプロ」に任せてどうにかしたようだが、そのまま悪臭を放置しておくわけにはいかない。
だが、飯山が導入を提案している、トラクターのようなものも、すぐに入手することは不可能なようだ。
意外に思うかもしれないが、このへんの農業ではあまりトラクターを使っていない。
土を耕すのに使われるのは「牛」なのだ。
牛を散歩させて畑を耕せば、お金もかからず、糞尿もそのまま肥料にできるし、おまけに牛の肉質もよくなる、ということらしい。
生ごみを家畜のエサにしたり、豚糞尿を魚に食わせたりするなど、なんでも再利用していることでもよくわかるのだが、中国というのは、意外にも合理的なシステムで動いている国なのだ。
というわけで、とりあえずは人を動員してでもどうにかしなければならない。
この10人の男たちは、そうして呼ばれたのである。
これがまた時間のかかること...。
なんせ、そこにある汚泥は40トンもあるのだ。
その山を崩しては乳酸菌を撒き、手作業で混ぜあわせていくのだから、そりゃもう大変な作業だ。
どうやら、ここの経営者たちはそれを予見していたようで、深夜作業用のライトまで借りてきていた。
この工場には電灯もついているのだが、どこで断線しているのか、現在使用不可能なのである。
作業の最終段階、飯山は最後の仕上げとばかりに、惜しげもなく大量の乳酸菌を散布した。
ちなみに、今回、40トンの汚泥に対して散布した乳酸菌は3トン強である。
仮に日本で市販されている乳酸菌を使用したとすれば、最低でも300万円はかかるだろう。
それが、原料価格ベースで考えれば、たったの75元(約1000円)しかかかっていない。
乳酸菌の効用はわりと知られているが、飯山の技術がほかと根本的に違う部分は、乳酸菌を「安く」「大量に」「素早く」作ることができるということだ。
「もったいないから節約しながら使う」という必要がなく、ゴミだろうと汚泥だろうと、川やトイレだろうと、とにかくどんどん撒いてしまって問題ない。
皮膚病の人を乳酸菌を満たした風呂に入れてもいいだろうし、胃腸が弱い人が毎日グビグビ水のように飲んでもいいのだ。
そして、この気の遠くなるような作業が終わったのは、なんと深夜も深夜、23時過ぎのことである。
噴霧機がないために、まだ空気中に残っている異臭はあるものの、汚泥そのものの臭いはすっきり消え失せた。
ただ、これからアンモニアが出てくる可能性があるので、また明日様子見して、乳酸菌を撒くかもしれない。
その間、ずっと現場を見張っていた中国の経営者たちは、それからやっと食事だ(日本人グループは先に食事をしていた)。
いつも、食事のことばかり考えている(失礼)彼らも、今日ばかりはそうも言ってられなかったようである。
そうそう、直接関係ない話だが、つい先日、この会社のなかに台所と食堂ができた。
そして、今日からは、ここで食事を作ったり、掃除をしたりしてくれるオバちゃんも入ったので、みんなで和気あいあいと食事ができるようになった。
この会社では、中国人と日本人が、まるで家族のように過ごすという、非常に面白いことになってきている。
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飯山本人が海外出張等で非常に多忙であるため、グルンバに関する件も含め、私までお問い合わせいただければすべてお答えできます。
今後、さらに情報を整理・公開し、世の中に大きく告知していきたいと考えているところです。
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